読売新聞(2009年5月13日)


<経済欄>

      露と資源協力強化


                自国優遇策には不信


(その4)


 <本文転載>


 ◆ウラン濃縮委託、採算性は課題

                                                         【モスクワ=緒方賢一】日本は、カザフスタンで採掘したウランの濃縮と、 日本の原子力発電所の使用済み核燃料から回収して英仏で保管するウランの  再濃縮を、バイカル湖に近いモンゴルとの国境寄りにあるロシアの「アンガ  ルスク電解化学コンビナート」に委託する計画だ。                                                  しかし、ロシアで核物質を輸出入できる施設は、北欧寄りのサンクトペテ  ルブルク港のーか所だけで、濃縮ウランを鉄道で運び、さらに船で日本へ送  るには、相当な輸送費用と時間がかかる。                                                      そこで、不可欠と見られているのが、極東に核物質を扱う港湾を建設する  「東ルート」の整備だ。ただ、港湾整備には巨額の費用をどう負担するのか  という問題も出てくる。ロシアの原子力ビジネス専門家は「(日本は)採算  が合うのかどうか慎重に評価する必要がある」と指摘している。      




 ◆油田開発で合弁

                                                                経済産業省の外郭団体である石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGM  EC)は12日、ロシアのイルクーツク石油と合弁会社を設立し、東シベリ  アの油田開発に向けた探鉱調査を始めると発表した。                                                 調査対象はロシア東部の2鉱区(計8142平方キロメートル)で、約1  億バレルの中規模油田とみられる。2013年までに掘削作業などを実施し、 原油埋蔵量を確定させる。採掘が成功し、シベリアから日本海に抜けるパイ  プラインが完成すれば、日本向けにも輸入される。            




 ◆輸出関税上げで丸太の露産激減

                                                         ロシアが建築用などの丸太の輸出関税を引き上げたことで、ロシア産の丸  太から国産材に切り替える製材業者が増えている。                                                  政府が12日に閣議決定した「2008年度森林・林業白書」によると、  北陸の製材業者を中心に国産材へ転換が進み、08年後半の1月あたりの輸  入量は約10万立方メートルと、関税引き上げ前の約5分の1まで激減した。                                      ロシアは、07年6月まで6.5%だった丸太の輸出関税率を現在は25  %に引き上げている。さらに、来年1月からは80%とする予定だ。