原子力協定 日本に追い風
■相互補完
日露原子力協定は、日露両国にとって利点が大きそうだ。
日本は、米、仏に次ぐ原子力大国で原子炉の製造などで優れた技術を持つ
が、燃料となる濃縮ウランの「自給率」は3%未満に過ぎず、多くは欧州か
らの輸入に頼っている。世界のウラン濃縮能力の4割を占めるとされるロシ
アから本格的に輸入できれば、資源の安定確保につながる。一方、ロシアは、
今後20年間に約40基の原発の新設を計画しており、日本の高い技術に期
待している。
協定締結は、日本企業にとっても追い風になる。東芝は12日、ロシアの
国営原子力企業「アトムエネルゴプロム」と濃縮ウランの備蓄などで事業化
を進めることで合意した。原子力協定が締結されたことで、技術協力や合弁
会社の設立が可能になったためだ。
■経済協力
プーチン首相は12日、東京都内で開かれた「日本ロシア経済フォーラム」
で、「サハリンからウラジオストクまでの天然ガスのパイプライン建設に参
加してほしい」と述べ、日本企業に対しロシア極東開発への参加を求めた。
エネルギーや木材加工、運輸など幅広い分野での協力も呼びかけた。
だが、日本企業の間では、ロシアの外資規制などに対する懸念が依然とし
て強い。サハリン周辺の「サハリン2」事業では、日本の商社などが開発し
てきたが、ロシア政府の圧力で開発会社の株式の過半数をロシア企業「ガス
プロム」に譲渡した経緯もある。
また、ロシアは今年に入り、製造業への支援策として、鉄鋼製品や自動車
の輸入関税を引き上げた。麻生首相は12日のプーチン首相との会談で、
「ロシアは関税引き上げ措置を繰り返し取っている」と述べ、ロシアの保護
主義的な動きに強い懸念を示した。プーチン首相は、「(保護主義阻止の国
際的な合意は)順守している」などと反論した。
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