温暖化対策や安定供給
イタリアは1987年に国民投票で原発凍結を決めたが、同国の電力大手
ENELはこのほど、国内に4基の原発を新設する計画を明らかにした。フ
ランス電力公社(EDF)と組んで合弁会社を設立、2013年までに着工
し20年の稼働を目指す。電力の一部を輸入に頼るイタリアでは自国での供
給を求める声が高まっており、昨年5月に発足したベルルスコーニ政権は原
発を新設する方針に転換した。
スウェーデン政府も原発を段階的に廃棄することを決めた80年の政策を
撤回すると2月5日に発表。現在10基稼働している原発は順次新しい炉に
置き換える。同国政府は政策転換の理由について「温暖化ガスの排出削減の
ため」と説明している。
英国は87年を最後に原発の新規発注を止めていたが、昨年発表した新原
子力政策白書で原発新設再開を打ち出した。今年1月、仏EDFに買収され
た英電力ブリティッシュ・エナジーは、17年の稼働を目標に英国内に4基
の欧州加圧水型炉(EPR)を建設する計画だ。ポーランドでも政府が1月、
20年までに原発を1−2基新設する計画を発表した。
環境問題に敏感な欧州では反原発の意見も根強く、ドイツやスペインは脱
原発政策を維持している。
原子力発電によるCO2排出量は石炭や石油、天然ガスなど火力発電の約
20−40分の1とされる。風力や太陽光など再生可能エネルギーの普及が
思うように進まないなかで、原発は温暖化ガス排出削減のための切り札とな
っている。
欧州への天然ガス供給国であるロシアが昨年、今年と続けてガス供給を停
止。欧州のエネルギー供給基盤の弱点が露見しており、原発回帰は長期的に
ロシアヘの依存度を下げる狙いもある。ガス供給が途絶えた東欧各国ではス
ロバキアやブルガリアなどが、運転停止していた旧ソ連時代の旧式原発を再
稼働させる方針を打ち出した。
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