原発自治体アンケート==保安院に不信感
全国21の原子力発電所立地自治体アンケートで、8市町村長が経済産業
省から原子力安全・保安院の分離・独立を求めており、自治体側の保安院に
対する不信感が浮き彫りになった。 =1面参照
分離・独立を求めたのは、宮城県石巻市、福島県富岡町、茨城県東海村、
新潟県柏崎市、福井県おおい町、松江市、佐賀県玄海町、鹿児島県薩摩川内
市の8首長。中越沖地震を経験した経産省出身の泉田裕彦・新潟県知事も、
同じく分離・独立を求める。「規制と推進が同じ役所内にあることで住民は
不信感を持っている」
米国は74年、原発の推進部門と規制部門を統括していた原子力委員会
(AEC)を撤廃し、推進を担うエネルギー省と、規制をつかさどる米原子
力規制委員会(NRC)に分離した。フランスでは06年、産業省、環境省、
厚生省の3省の管轄下にあった規制機関の原子力安全委員会(ASN)が独
立した。
保安院は、01年の省庁再編を機に発足。院の人事や予算について、経産
相と直接やり取りできる「特別の機関」で、推進部門である経産省資源エネ
ルギー庁からは形式上独立している。また、原発の建設、改造時の安全審査
など、保安院による規制は、内閣府に置かれている原子力安全委員会による
チェックを受ける。保安院の薦田康久院長は「国際原子力機関(IAEA)
の審査でも、規制と推進が分離されているとの評価を受けている」と説明す
る。
しかし、独立性をいくら高めても、推進と規制の両部門が経産省内に同居
する不透明さは残る。
東北大大学院文学研究科、長谷川公一教授(社会学)は「原子力業界は専
門性が高く、閉鎖的だ。チェック機関として機能させるためには、保安院の
規模を拡大し、強い権限と自立性を持った公正取引委員会のようにすべきだ」
と指摘した。
(長富由希子、奈良部健、佐々木英輔)
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