<時評・ウェーブ>
  電気新聞(2001年4月6日)

     

6千万人の訪問者との語らいを

         近藤 駿介(東大工学部教授)

<その1>

 近藤 駿介先生といえば、我々メンバーの中で大学時代(東大原子力工学科)の同級生もいれば、その後の原子力界にあって一緒に仕事をした者も数多くいるから、近藤先生の書かれた主張に異議がないのは当然である。言葉の隅々まで「同感」できる、といえば大袈裟であろうか。

 今回取り上げた電気新聞の<時評・ウェーブ>に寄せられた先生のご意見もご多分に漏れず諸手を挙げて「同感」だが、その中でも特に「同感」した部分を抜き出して解説してみよう。

 
[第1段〜第2段]
> 原子力長期計画策定作業の終盤においては、パブリックコメント制度やご
>意見を聞く会を通じて、原子力長計に対する国民の意見募集が行われた。寄
>せられた千を超す意見のうち批判的意見は、「安全性や廃棄物管理の可能性
>に疑問があるから脱原発を」という趣旨のものが300、「代替エネルギー
>の方が将来性があるから原子力からは撤退を」というものが150、プルサ
>ーマルやリサイクル反対が110、高速増殖炉開発反対が60、もんじゅの
>運転再開反対が80などであった。中にはJC○事故の際に小生が策定をお
>手伝いした、茨城県の原子力防災計画が効果的でなかったとして、責任をと
>れとする名指しの叱責もあった。
 
> 一方、原子力利用推進を前提に代替策を提案している意見としては、安全
>確保対策充実を求めるものが100、情報公開と教育の充実提案が80、高
>」レベル放射性廃棄物は地層処分よりは地上保管とすべきとする意見が50、
>核燃料サイクルの着実な推進の提案が100、研究開発の在り方に関する提
>案が80などであった。
 
> 全体として、長計案における論述の具体的個所を示しての批判よりは、自
>身の原子力観を述べていると思われるものが多かった。策定会議はこれらを
>踏まえて案を修正して長期計画をとりまとめたのだが、個人的には、この意
>見のファイルを前に、コミュニケーションの社会的機能の重要性を説くハー
>バーマスの言説を思い出していた。
 ここはプロローグの部分だから、特別な解説は必要としないだろう。

       <次につづく>