日本経済新聞(2008年5月20日)


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    東芝、原発燃料会社を買収

         ウランから機器まで==世界で一貫体制

(その2)


 <本文転載>



 東芝は古河電気工業と住友電気工業が折半出資する原子力発電用燃料会社、
原子燃料工業(東京・港)を買収する。今夏までの正式合意をめざし、買収 
額は200数十億円になるもよう。世界では今後20年間で150基以上の 
原発が建設される予定で、燃料需要も急拡大が見込まれる。ウランの有力埋 
蔵国であるカザフスタン政府と連携した東芝は、燃料加工会社も傘下に収め 
て機器から鉱石、燃料までの一貫事業体制を築き、世界の原発商戦で優位に 
立つことを目指す。                          





  

◆仏アレバを追撃

                                                              東芝は買収を機に国内に限られてきた燃料販売を海外に広げる意向。世界  各地の電力会社に対し燃料供給を同時に提案することで機器の売り込みを有  利に進められる。                                                                 東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)が全株式を取得する。すでに資  産査定を終え、金額など条件面で古河電工、住友電工の両社と詰めの交渉に  入ったもようだ。                                                                 原子燃料工業は古河電工と住友電工の原発燃料事業を統合して1972年  に発足。ウラン粉末を成型加工し燃料にして電力各社に供給している。国内  に3社ある原発燃料会社のうち、同社は加圧水型軽水炉(PWR)用と沸騰  水型軽水炉(BWR)用の2種類の燃料を手掛ける唯一の企業で、年間売上  高も約200億円と国内最大規模とみられている。                                                  原発機器からウラン鉱石の開発、燃料加工までの一貫事業体制の構築では  フランスの大手原発メーカーであるアレバが先行している。東芝は昨年、豪  州に次ぐ世界2位のウラン埋蔵国のカザフスタンでウラン鉱山の権益を取得。 同国国営原子力事業会社にWH株の約10%を譲渡して連携体制を築いた。  今回の買収で、原発事業の一貫体制を整え、仏アレバに対抗する。                                           東芝は米ゼネラル・エレクトリック(GE)、日立製作所との三社合弁か  ら燃料供給を受けているが、昨年にGEと日立が原発事業を統合したことも  あり、関係見直しに動いていた。                                                          原油価格の高騰や環境問題への対応を背景に原発新設計画が世界で相次ぎ、 原発燃料の受給逼迫(ひっぱく)を見越してウラン価格は過去5年で6倍に  上昇した。世界の原発燃料需要は精錬ウランの段階で年1兆円規模とみられ  る。燃料供給体制の整備が原発機器商戦のカギを握る中、同分野での合従連  衡が加速しそうだ。