(その2)
<本文転載>
地球温暖化対策で、英政府が原子力発電の利用拡大や、環境関連ビジネス の後押しに積極的だ。来日したジョン・ハットン英ビジネス・企業・規制改 革相に今後の取り組みを聞いた。 −−温暖化対策にのぞむブラウン新首相の意気込みは。 「ブレア前首相と同じくらい熱心だ。英国は主導的な役割を果たし続ける。 多様なエネルギー源をバランス良く使うため、近く重要な施策を発表する。 風力、太陽光、波力など再生可能エネルギーの使用を急拡大するほか、原発 利用にも積極的に取り組む」 −−原発の新設再開方針に変化はないか。 「英国は発電量の18%を原発に依存しているが、約20年内に1基を除 き事実上すべての原子炉が(老朽化のため)閉鎖となる。政府は重大な選択 を迫られる。暫定的な(新設再開の)方針に関し、国民の考えを問う大規模 な意識調査を実施した。その結果をもとに数週間内に最終結論を出す。全体 としては原発支持が多い。廃棄物などを懸念する声もあるが、解決は可能と 信じる」 −−温暖化対策は新たな商機を生むか。 「英国の環境関連事業は総売上高が250億〜260億ポンド(約6兆1 千億〜6兆3千億円)に達し、40万人が従事する。20〜30年内に規模 は倍に達する可能性がある。製造、サービス、設計、コンサルティングなど に加え、原発関連事業も有望だ。中国などでの応用を念頭に、温暖化ガス吸 収の大型プロジェクトも始める。環境ビジネスは英経済の推進役となりつつ ある」 −−世界で温暖化ガス排出量を2050年に半減する目標をどう思うか。 「問題は半減で十分かということだ。英国は50年に少なくとも60%減 らそうとしているが、これで十分かどうかはポスト京都議定書の枠組み次第 となる。ただ、国別の目標を考えるのは時期尚早。各国の事情に応じ柔軟に 考えるべきだ」 「例えば排出権取引は効果的な手法だが、日本の懸念も真剣に受け止めて いる。欧州連合(EU)で取引が広がったのは、政府の説得によるのではな く産業界が利点を見いだしたから。政府は取引市場の信頼性確保に努めるが、 介入は最小限にとどめている」 (聞き手は編集委員 安藤淳) |