
<時時刻刻>
(その2)
「日本は6%の削減義務があるが、05年度の排出量(速報値)は逆に8%増 えた。特に業務や家庭部門は4割前後も伸びており、目標達成が厳しい状況に変 わりはない」
他国の状況にとやかく言う前に、日本だけでも削減実績をあげて、省エネ技術 立国の面目躍如といったところを示さなければならないだろう。
「それでも政府は「マイナス6%は国際約束。達成しなければ話にならない」 (若林環境相)との立場。海外では単に「キョウト」と呼ばれることも多い歴史 的な議定書を自ら守れない事態となれば、国際的な発言力を失いかねないためだ」
環境行政のトップの発言とは思えない。国の威信のために削減するのではない。 地球を温暖化から救うために温室効果ガスの削減方策を見出し実行していかなけ ればならないのだ。
「政府の目標達成計画では、3.8%分を森林などによる吸収で補い、1.6 %を途上国での削減支援などを算入できる「京都メカニズム」で確保する予定だ が、残る8.7分は国内で減らさなければならない」
「捕らぬ狸の皮算用」のような数値合わせばかりを繰り返しており、具体的で 実行可能な方策を提案しなければならないのではないのか。
「京都メカニズムの拡大で帳尻合わせをしようとの声が強まる可能性がある。 ただ、その場合の費用負担がどれぐらい重くなるのか、現時点で見当はついてい ない」
つまり、経済発展のためなら二酸化炭素の排出など構っていられないとする途 上国に代わってその国で排出削減を行い、その削減分を日本の削減目標算入に上 乗せしようというのだ。日本の削減目標の6%に増加分の8%を加えた14%の うち、「京都メカニズム」分は1.6%としているが、この部分にもっと期待で きないか、という議論があるというのだ。それにはいくら金がかかるか、といっ た話まで出ているという。何ともみみっちい話ではないか。技術立国、省エネ国 と自負してやまない日本として、情けない話である。
と、朝日新聞の現状分析はほぼ完璧である。しかし、今後どうして経済の低迷 を引き起こさないで、温室効果ガスを大胆に減らしていくか、技術立国としての 日本がどういう選択をするか、といった提案がなかったことは、やはり不満が残 る。
では、G研としてそういう提案ができるのか、と問われれば、即座に「電気自 動車の普及と原子力発電所の積極的な推進」という提案を繰り返すだけである。
「G研」代表