[1段目]
> 地球が養える人の数、人口扶養能力については、研究者の見解はさまざま
>で、40億人から160億人まで諸説ある。

 ずいぶん開きがあるが、諸説のオンパレードを拝聴する必要がありそうだ。

[3段目の最終行から4段目]
> 先進国は、資源や食糧の消費削減に早急に取り組まなければならない。
> だが、実際には先進国の人々にいまの豊かな生活を犠牲にして、途上国の
>生活水準に落とせ、と迫るのは難しい。豊かさを保ちつつ、それでいて地球
>環境に過大な負荷をかけない方策を探るしかない。
 「豊かさを保ちつつ、それでいて地球環境に過大な負荷をかけない方策」は、エネルギーや食料を人類の英知を結集して作り出して行くことだ。自然から与えられた資源−−例えば、化石燃料や海中などに棲息する魚介類などの食料−−だけをいつまでも頼りにしていたのでは、人口が急増しなくとも、いずれ枯渇するものである。だからこそ、かつて家畜や養殖で食糧増産を図ったように、「作り出す」努力こそ必要になってきている。

[4段目]
> 石炭や石油などの化石燃料は有限であるうえ、大気汚染や地球温暖化の原
>因になる。化石燃料をエネルギーとする大量生産・大量消費・大量廃棄の経
>済社会は、持続可能なシステムではなくなった。
> このまま資源を枯渇させ生態系を破壊し続ければ、人類は確実に滅亡に近
>づく。
 だからこそ、いままで利用されていなかったウラン資源を有効利用して莫大なエネルギーを取り出し、同時にプルトニウムという人工のエネルギー資源を作り出してきたのである。このこともまず理解しなければならない。

 「自然の資源が枯渇する→消費を減らす努力」だけでは智恵の出し渋りだ。これに加えて「捨てられていた資源も有効に使う」と「人工の資源を作り出す」ことに智恵を結集することこそ「考える芦」の人類が取るべき道だと考える。

[4段目の最終行から5段目]
> 資源生産性の向上が、21世紀の地球環境と人類生存のかぎを握っている
>といえるだろう。

 朝日新聞の論説委員の考えが、我々の考えとここでピタっと一致した。

[5段目]
> 資源の生産性を上げる方策はいろいろある。省エネや省資源につながる技
>術開発であり、資源のリサイクル(再利用)である。太陽光や風力など、枯
>渇しない自然エネルギーの活用も有効だ。
 貴重な石油資源を温存する、つまり「省資源」のためにウラン資源を利用する技術、すなわち原子力発電が実用化された。また、「資源のリサイクル」のために、ウラン資源の消費に伴って出てくるプルトニウムを再利用する技術の研究開発も実用化が近づいている。

 太陽光や風力などの自然エネルギーは、一見「枯渇しない」資源のように見られがちだが、分布が希薄なため、大多数量の設備をつくらなければならないため、「土地」というこれまた貴重な「資源」を大量に浪費することになるのだ。ここのところは、朝日の論説委員は気付いていないようだ。

[5段目]
> 途上国の経済発展は先進国と同じ道をたどっており、このままでは、人類
>は限りある資源を浪費してしまうからである。
> かといって、後から追いかけてくる途上国に対し、先進国のような豊かさ
>を求めるな、と言うのは身勝手きわまりない。
> 先進国がたどった環境破壊や資源浪費のてつを踏むことなく、途上国が豊
>かになれる道を切り開かなければならない。
 この主張に異議を挟む余地はまったくない。今後半世紀にかけて、特に発展途上国の人口は急増する。また、これらの国は先進国に追いつけ追い越せで、経済成長に躍起になってくるだろう。そうなると、いまはまだエネルギーや食料の消費量は先進国の何十分の一かも知れないが、経済発展に比例して消費を伸ばしてくるだろう。だからといって、朝日もいうように「先進国並みの豊かさを求めちゃいかん」とは、口が裂けてもいえないだろう。余談だが、昔、どこかの国に、「貧乏人は麦飯を食え」といった総理大臣がいたそうだが、こういうことは絶対言うべきでない。

 だとするなら、「先進国がたどった環境破壊や資源浪費のてつを踏むことなく、途上国が豊かになれる道を切り開かなければならない」というしかない。しかし、まさに「言うは易し、行うは難し」で、そういう「道」はなかなか見つからないだろう。

 あるとするなら、エネルギーは「熱中性子炉→高速増殖炉→核融合」で、食料は、「温室栽培・養殖→クローン」という「道」かな、と思っている。食料の専門家は我々の仲間にいないため、「食料の道」には自信がないことを申し添えておこう。

      「G研」代表