日本の原子力界は、先の臨界事故以来、国民の皆さまからの信用を完璧なまでになくしてしまいました。社会から信用されない業界にいて、信用されない技術に携わることくらい寂しいものはありません。

 あの「魔の9月30日」以来、失われた信用を如何に取り戻すか、考えあぐねておりました。そんな矢先、恐らくこれは我々ロートル向けの雑誌じゃないでしょうが、「BIGtomorrow」2000年1月号が廻ってきました。

 「20代後半から人生巻き返し術」とか、「今度のクリスマス、私と一緒に過ごしませんか?」などといった、面白そうなタイトルが表紙に並んでいました。しかし、我々の目が一番ひきつけられたのは、何を隠そう、次のタイトルでした。

 ●誰も信じてくれない、相手にされない・・・ ドロ沼状況から這いあがってきた男たちの復活ストーリー  「失った信用をどう取り戻すか?人望力・研究」

 ちょっと大袈裟ですが、「地獄に仏」のような気持ちになり、むさぼり読んだことは言うまでもありません。記事の内容も、我々の心を見すかしたかのように、示唆に富んだ内容でした。

 この記事は、原子力報道に直接関係はありませんが、いまの原子力界に席を置く人間は、是非読んでもらいたい情報と判断しましたから、”異議なし”に「同感できるG情報」に入れさせていただきました。

 最初の行から最後の行まで6ページの本文すべてを転載したいのは山々ですが、ぐっと我慢して、赤線を入れたところだけ打ち込んでみましょう。残りは是非本誌を買って読んでみて下さい。

[P.36,2段〜P37,1段]
>「信用に関する意識と実態調査」と名付けられたこの報告書はクレジット会
>社の共同出資によって設立された個人信用情報機関、株式会社シー・アイ・
>シーが作成したもの。アンケートは、平成11年8月、東京と大阪の25歳
>のサラリーマン500人を対象に実施されたものです。
> その調査によると、なんと9割もの人が「会社に信用されている」と答え
>ています。
 原子力関係者を対象にアンケート調査しても、9割とはいかないまでも、臨界事故の後の今日でも、恐らく半分以上が「自分たちは国民から信用されている」と答えるのじゃないでしょうか。いわば、危機感の欠如が、今日の原子力界に安住してきた自分たち自身を堕落させた結果の現れだと思っています。

[P.37,2段]
> 信用されているはずだという思い上がりは、この依頼者だけのことでしょ
>うか。
> それだけではありません。本人の責任でなくても部下や会社がトラブルを
>起こせば自分自身の信用を失うことがあるのです。
 「原子力界の不祥事は自分自身の個人的な信用とは関係ない」、とゆめゆめ思うなかれ! 「JCOの起こした臨界事故のような事故は、わが社はぜったい起こさない」なんてことも、ゆめゆめ思うことなかれ! ということでしょう。

        つづく