<論>   専門家はもっと提案を  温暖化防止への取り組みお粗末


 今年も暑い夏がやってくる。最近の夏の暑さは、異常である。こ れも地球温暖化の影響だと、誰もが認識せざるを得ない。

 そして、地球温暖化防止に関心を高め、何らかの形で温室効果ガ ス排出削減に協力することは、良いことである。

 省エネに努めることや、ゴミを減らすことも役立つだろう。具体 的には、無用なドライブを控えたり、新しい消費財を購入するのを 我慢することも大切だろう。

 そしていろいろな方が、いろいろなアイディアを提案してくださ っている。

 例えば、6月19日付け日経新聞に、テレビのコメディ番組を手 がけてこられたプロデューサーの沢田隆治氏が、お中元を止めて温 暖化防止に協力しよう、と提案されている。なかなかいいアイディ アだ。

 確かにお中元の習慣を止めたら、配送車や冷凍車の運行が格段に 減り、ガソリンの消費量は落ちて温暖化防止には大いに効果が出る だろう。しかし、流通業者や配送業者、デパートの売り上げには、 マイナスの効果が出るのも確かであろう。

 素人で個人の方のアイディアも多々、傾聴に値するが、専門家か らはもっと出てきてしかるべきと思うのだが、肝心の環境庁からの 提案が、クールビズやレジ袋に代えて風呂敷の利用程度では、お粗 末極まりないといわざるを得ない。温暖化防止の観点からいえば、 沢田氏も指摘されているように、お中元廃止の方が、クールビズよ り何倍も効果がある。

 同じく6月20日付け読売新聞によると、経済産業省の資源エネ ルギー庁が音頭をとって、沖縄県宮古島で、バイオエタノール燃料 の普及に乗り出すのだそうだ。

 宮古島の主要産業であるサトウキビから砂糖を製造する段階で大 量に出るサトウキビの絞りかすを使って発酵させ、エタノールを製 造し、それをガソリンに3%まで混ぜて車の燃料にしようというプ ロジェクトだ。

 ガソリンの消費量が3%ばかり助かるというが、エタノールの価 格はガソリンより20〜40円も高いし、燃費もガソリン1リット ルに対しエタノールは約1.7リットル必要だというから、あまり 効果はない上に、税金の無駄遣いともなりかねない。

 政府の関連官庁からの提案がこの程度では、今夏も日本の温暖化 防止への取り組みは覚束無いばかりだ。

 我々が提案しているのは、経済活動にマイナスの影響を与えず、 新たな研究・開発・普及費もかからず、それでいて温暖化防止には 抜群といったアイディアなのだ。即ち、原子力発電と電気自動車の 採用である。関係省庁の面子を捨てた決断に期待する。

             「かえるの声」第300号(2006年7月1日)