「住専国会」といわれた第136通常国会は、6月19日閉会した。この国会で提出された法案、条約などは167件、その内129 件が成立し、この法案成立率は82.2%と異例の高さであったそうだ。
終わってみれば、あれほど議論を喚起した住専・金融関係6法案は、政府原案通り成立してしまった。これで、泡沫(ほうまつ)経営 してきた住専を処理するため、財政支出することが実質的に決まった。
一方、3%の消費税導入の是非が問われたときにはあれほど反対した社民党(当時は社会党)の大蔵大臣の提案によって、大した議論 もしない内に5%に上げることがすんなり決まってしまった。なんとも残念なことだ。少なくとも行財政改革の骨格だけでも決めるべき だったのではないだろうか。
国でも家庭でも財政が逼迫(ひっぱく)しているなら、まず支出を切り詰める努力をするのが当たり前ではないだろうか。今回の消費 税の値上がりは、過去2年間の所得税の大幅減税分を補填(ほてん)するためだと、当局は説明しているが、これは100%信じる訳に はいかない。
例えば、高齢化社会に備えて毎年膨れる傾向にある高齢者福祉関連予算についてであるが、政府は、「21世紀初頭の本格的な高齢社 会の到来に備え、人生80年時代にふさわしい経済社会システムの構築を目指し、政府が推進すべき長寿社会対策の指針」として長寿社 会対策大綱を定めた。この長寿社会対策は、約600件に及ぶ事業(平成5年度)の予算額は約30兆円と多額に上がっている。
しかし、その大半は受益者であるべき国民に行くのではなく、官僚OBの天下り先の人件費に使われているという。特に、それらの財 団法人や社団法人が官庁から委託等を受けて行う普及啓発事業は税金のムダ使いの最たるものだ、と指摘しておこう。
福祉予算といえば、マスコミも含め、反対を唱える人は少ない。しかし、それだけ落とし穴も多いことに注目したい。