インドネシアなど各国の起床観測所からのデータをもとに気象庁が作成した、煙で視程が1000m以下の地域(9月26日現在)


インドネシア森林火災 

インドネシアのスマトラ島やカリマンタン(ボルネオ島)で広がっている森林火災は、約3ヵ月前に発生した。毎年、乾期になると大農園経営者らが手っ取り早く開発するためにつける年中行事だが、今年はこらが延焼して空前の規模となった。例年だと9月ごろから雨が降りはじめるが、エルニーニョ現象で雨期入りが大幅に遅れているため大惨事となった。

 焼畑農業はアマゾン地帯やアフリカなどの熱帯や亜熱帯でいまも行われている。東南アジアでは毎年2万平方キロメートル以上の森林が焼かれているそうだ。そこでタロイモ、バナナ、ココヤシなどが栽培されている。焼き畑は一時的に土壌を豊かにするが、数年で養分は枯渇し、荒廃していく。農民たちは収穫ができなくなると次に移動する。そのあとは工場などにされるという。

 こうして焼かれた熱帯雨林は、大気中に数十億トンの二酸化炭素を放出しつづけ、地球の温暖化に拍車をかけている。その森や林は数億年にわたって数多くの生命体を守り育ててきた、破壊された森林は百年もすれば再生するが、絶滅した生物種はもう二度と元へは戻らないだろう。 

 保険省によれば、今回の火災による煙害で、2人が呼吸器系疾患により死亡したほか、3万2000人以上が重度の呼吸器系疾患を患っている。また、カリマンタン島西部やスマトラ島南部などでは学校が休みになり、空は晴れていてももやがかかった状態になり、航空便も欠航、視界悪化で船の事故も続出しているようだ。

 元凶となったインドネシアの山林火災は、パーム油製造企業が原料のアブラヤシを増産しようと、大規模な焼き畑で耕地拡大を図ったことが引き金になあったと見られている。

 大気汚染はすでに海を渡ってマレーシアに及び、首都クアランプールでは通学の子どもたちはマスクをするのに大わらわどという。

 マレーシアの消火隊は海路スマトラに向かい、日本も背負い式の消火用水嚢(すいのう)を送る準備をしている。また、オーストラリアも消防隊を送る用意があることを明らかにしている。

 しかし、日本の援助関係者からも「できるのは延焼をくい止めることくらい。結局、鎮火は雨を待つしかない」との声が出ているのが現状だ。

 スハルト大統領は許可のない山焼きの中止命令をだしたが、これはインドネシアだけの農業災害ではない。地球環境にとって重大な”有事”発生である。