
日本の年間CO2排出量のうち約3割は発電によって放出されています。そのため、CO2の抑制は電力業界にとって大きな課題となっています。
電力にかかわるCO2の抑制策は大きく分けて次のような2つのパターンがあります。
(1)CO2排出原単位、つまり1kWhあたりのCO2排出量の低減という電気の供給面 からの取り組み
(2)発電電力量の抑制など電気の使用面からの取り組み
電力業界では「電気事業者の立場から、基本的にはCO2排出原単位の削減が目標」(電気事業連合会)としています。その大きな推進力として期待されているのが、原子力です。化石燃料をもやして発電する火力と違い、原子力はウランの核分裂で発生する熱を利用して発電するため、運転中はほとんどCO2を出しません。
これまでも、原子力発電はCO2の抑制に貴重な役割を果たしています。1990年におけるCO2排出原単位の実績は0.104kg(炭素換算)で、原子力発電所の建設・商業運転が始まったばかりの70年と比較すると、約3分の2に減少しています。電力需要が20年間に、約2.5倍に増大したにもかかわらず、総排出量は1.7倍にとどまっています。火力発電の中で単位熱量あたりのCO2排出の少ないLNG(液化天然ガス)火力の積極的な導入に加え、原子力発電電力量の大幅な増加によるCO2抑制効果が大きく貢献しています。
仮に現在ある原子力発電をLNG火力以外の石炭、石油火力で代替した場合、排出量はおよそ6000万トン(炭素換算)増加するとみられています。95年度の日本のCO2排出量は3.32億トンとなっていますが、原子力がなければざっと4億トン(同)近くにまでふくれあがっていたことになります。