
出典:電気新聞
日本のエネルギー政策の基本である「長期エネルギー需給見通し」が、4年ぶりに改定された。今回の「見通し」は、昨年12月、京都で開かれた「温暖化防止会議(COP3)で決まった温室効果が削減目標が盛り込まれたものとなっており、改訂作業に係わった総合エネルギー調査会需給部会の委員などは、相当苦心した模様で、その形跡は散見される。しかし、温室効果ガスを削減するには、省エネルギーか原子力発電しか、現実には選択の余地はなく、今後のエネルギー行政にどう反映させ、どこまで実現させていくか、政府、産業界、そして我々国民も含めて、厳しく問われるところである。
日本のエネルギー政策ともいえる「長期エネルギー需給見通し」が1994年6月以来4年ぶりに改定された。
まず、6月4日、電気事業審議会需給部会(部会長=小松国男・石油公団総裁)から「長期電力需給見通し」が発表された。それを受けて6月11日、通産大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会需給部会(部会長=黒田昌祐・慶応大学商学部教授)から「長期エネルギー需給見通し」が発表された。
今回の「見通し」の特徴は、言うまでもなく昨年11月に開かれた温暖化防止京都会議(COP3)で決まった温室効果ガス目標の達成を可能にする対策が盛り込まれたものになった。そのために、大幅な省エネルギー対策と原子力開発が主要な柱になっているのが特徴だ。
省エネたいさくが相当効果を発揮した場合、すなわち「対策ケース」での2010年度末の実績より700キロリットル増の4億キロリットルに設定している。今後14年間、消費の伸びを年平均で、0.1%に抑えるというものである。
省エネ対策の効果があまり出なかった場合の「基準ケース」を並列して示している。これも今回の「見通し」の特徴だが、その場合、今後14年間の消費の伸びは、年平均で1.1%としている。これは「対策」の0.1%と比較しても省エネがいかに厳しいものであるかを示している。燃料別でも、石油、石炭などいわゆる化石燃料の大幅な削減が盛り込まれている。