砂漠化進める森林破壊

毎年、日本国土の45%相当の熱帯雨林が減少


 地球環境問題といえば、@二酸化炭素の増加による温室効果:地球温暖化、A化石燃料、とりわけ石炭燃焼による窒素酸化物(No)、硫黄酸化物(Sox)の排出:酸性雨、Bフロンガスによるオゾン層の破壊:有害紫外線の増加、の3つが取り上げられるが、それと絡んで森林の破壊も大変な問題なのだ。

 森林の破壊は、結局は二酸化炭素の排出につながるし、大気中の二酸化炭素を有機体として固定化する地球の能力を減らすことになる。さらに熱帯林を破壊すると、砂漠化を加速することになる。地球環境で心配される森林破壊は、発展途上国といわれる国で起こっている。焼き畑農業のため、薪炭材を得るため、輸出用木材を得るため、地域開発をするため、などいろいろな理由がある。

 FAO(国連食糧農業機関)が、92年9月に発表した調査結果によると、毎年1700万ィ、つまり日本国土の45%、オーストリア、デンマーク、オランダ3カ国を合わせた面積の熱帯林が失われている。減少のスピードは10年前より50%も速まっているという。81〜90年に破壊された熱帯林の40%が中南米、アジア・太平洋地区が30%である。現在の熱帯林は29億7000万ィ。人類誕生の頃、陸地の40%を覆っていた森林は、その半分にまで減った。

 特に深刻なのは、南米のアンデス、アマゾン、ブラジルの大西洋沿岸地帯、アジア・太平洋地区ではインドネシア、フィリピン、アフリカではマダガスカル、タンザニア東部山岳地帯、ギニア北部の森林だという。印象的にはやっぱり、といった感じの地域である。

 一方、熱帯林の特徴は成長が速いことだ。日本のスギの2倍はある。ということは土壌中の栄養素がより多く樹体の方へ移っていることになり、土地がそれだけ痩せているわけだ。そんなところで森林を伐採して、放っておけば栄養素がたちまち流されて、ペンペン草も生えないこちこちの砂漠になってしまう。これが、熱帯林の砂漠化のシナリオだ。

 しかし、産業のない途上国の人たちにも生活向上を求める権利が当然ある。そのために木を切るとなると、その代替手段を提供しない限り、止めろとはいえないだろう。途上国の開発を止めてもらいたい先進国と、それを先進国のエゴとして続行を求める途上国が激突したのが、92年6月の地球サミット。結局、「持続可能な」というキーワードで、途上国の開発が認められたいきさつがある。

 悪者にされ、環境団体に痛めつけられているわが国の製紙会社などは、パプア・ニューギニア、チリ、ベトナム、インドネシア、ブラジルなどで植林、森林の再生と地元民に仕事の場を提供しているが、金がやたらかかるほど思うように行かない面もあるらしい。

 人の生活と結びついている場合も多いだけに、一気に解決とはいかないだろうが、先進国が、熱帯林がこれ以上減らないように、積極的に手を貸していくことが、絶対必要なのである。

(牧田 薫)