自然破壊と人類滅亡は並行だ

人類の出現は400万年から1000万年だろう?


 この地球に類人猿が樹上の生活を捨てて草原に降り立った、つまり人類の出現は、化石で見る限り、今から400万年前以前にはさかのぼれない。しかし、化石以外の研究では、人類の出現は800万年から1000万年前ぐらいになりそうなのだ。

 結果的に人類の祖先となる類人猿から、まずオランウータンが分かれ、次いでゴリラが分かれ、最後にチンパンジーと人類が分かれたのだ。化石を見ただけでは、なかなか分からないことだが、人間は遺伝子からの追究という手段を手にいれており、それぞれの類人猿と人類との遺伝子の重なり具合などから、分離の流れが解明されたのだ。

 ちなみに、遺伝子が入っている染色体の数は、人間が23対なのに対して、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーは24対だ。人間に進化するために2本の染色体が1本に合体してしまったのだ。分子生物学者の計算では、この合体には600万年あれば十分だというのだが、400万年から先の人類の化石は発見されていない。それをミッシング・リング(失われている輪)といっているのだ。草原に降り立った人類は道具をつくり、布を織り、家をつくり、生活を向上させてきた。人類自らも、猿人(アウストラロピテクス=南の猿、脳の大きさ300立方センチ)、原人(ジャワ、北京原人、1000立方センチ)、旧人(ネアンデルタール人、1500立方センチ)、新人(クロマニヨン人、現生人、1500立方センチ)と進化させ、現在50億人以上の人口にまで発展している。

 何しろ、エネルギーを使うことを覚え、寒暖にあわせて住まい、身につけるものを工夫できる人間は、熱帯から極北の地にまで住んでおり、地球上に生まれたいかなる生物も実現できなかったことを達成してしまっている。生物の進化の頂点に立つ生物にふさわしい姿かも知れない。

 ところが、生物進化の頂点といえば格好はいいのだが、それはまた、人類はすべて地球上にあるものに頼らなくては生きていけないことを示しているのである。生物進化の頂点ということは、食物連鎖の頂点にいることにもなる。つまり、植物が太陽の恵みを受けて作り出したものを頂くのは当然として、植物を食べて生きている動物も頂くのだ。

 自然界にいる動物を改良して家畜化し、植物も改良して作物化するという芸当もやってのけている。そうして、人口増加に対応してきたのだ。だがよく考えてみれば、生物の中で唯一の完全直立二足歩行の人類は、より重い脳を支えることができるようになり、脳の前部を占める精神活動の源である前頭葉を発展させ、その知恵で、地球上の物を使って、文化、文明といわれるものを作り上げてきたのだが、全部が全部、地球由来のものであって、それ以上でもそれ以下でもない。

 自然を破壊し尽くせば、人類も滅びるだろう。自然は大切なものなのだ。

                                           (牧田 薫)