原子炉の燃料といえば、一般的にはウランということになるが、原子力工学や原子力発電事業の分野では、「燃料集合体」を指す場合が多い。燃料の原子炉への出し入れには、燃料集合体を単位として行っているからである。また、原子炉の中でも、制御棒の周りに燃料集合体をまとめて1単位(セル)として核特性をはじき出し、原子炉を運転しているのである。
約3%に濃縮した二酸化ウランを小さな円柱状に焼結したものを「ペレット」、それをジルカロイの被覆管に詰めたものを「燃料要素(通称「燃料棒」)」、それを何本か格子状に束ねたものを「燃料集合体(通称「燃料体」)」と呼んでいる。粉末状の二酸化ウランからペレットにし、燃料体まで組み立てる工程は、通常、原子炉メーカーの燃料会社で行い、できあがった燃料体を電力会社の原子力発電所に納入しているのである。
ところで燃料棒の被覆管になぜジルコニウムが使われているのか。機械的強度が十分ある、熱伝導がよい、そして中性子をあまり吸収しない、といった性質が被覆管の材料に求められ、ジルコニウムの性質が最も適している、ということになったからだ。
加圧水型原子炉(PWR)の燃料は、264本の燃料棒と炉内計装用案内シンブル1本、制御棒案内シンブル24本が、17×17の正方形の格子状に配列した燃料集合体を原子炉の炉心部分にその出力に応じた数(118万kW出力の場合、193体)が装荷されている。
BWRの燃料と比較すると、まず燃料棒が細い、集合体に組み込まれる燃料棒の数が多い、集合体の中にも制御棒や炉内計装が入り込むようになっている、といった違いがある。
しかし、同じ軽水炉の燃料であって、濃縮度も含め大きな違いはない。
(水口 哲)
| PWR燃料(17×17) | |
燃 料 被 覆 管 |
肉 圧 約0.64@ 燃料要素(棒) 燃料集合体 |
出典:「新版原子力ハンドブック」他