ヒト科の生物が森から草原に最初に降り立った場所は、アフリカ説が有力だが、アジアの可能性もあり、まだ決着がついていない。
なにはともあれ、ヒト科の生き物は、猿人、原人、旧人、新人(現生人)の順で地球上に現れた。1万年ほど前から現生人は農耕を始め、チグリス・ユーフラテス川流域(メソポタミア)、ナイル川流域(古代エジプト)、黄河流域(中国)、インダス川流域(インダス文明)に4大文明をつくりあげ、人類発展の先駆けとした。
人類は、エネルギーの使用量を増大させつつ、人口を増やしてきた。最初のヒト科の生き物は、樹木などのつくる実を拾い、海、湖、川辺近くに住めば、魚を食べることができただろう。その次は、弓矢を発明して動物を積極的に捕るようになっただろう。狩猟時代の始まりだ。そして農耕時代が始まり、必要な物を自ら生産するという積極的な生き方ができるようになった。
人類の歴史は、いろいろな言い方ができるが、エネルギーの使用量の増加と人口の増加との間には、相関関係があることが、データを見ればはっきりする。人間は、エネルギーの使用量と人口を、耕地を増やしながら増加させてきた。ここに1つの推定値がある。
キリストが誕生(西暦前4年)したころ世界の人口は2億5000万人だった。現在の日本人の2倍ほど、ほぼアメリカの人口だ。この後の人口増加は17世紀まではゆっくりしていて、2倍の5億人になったのが17世紀半ば。つまり1600年以上かけてやっと2倍ということになる。
しかし、この後がすごい。1760年代がイギリスの産業革命の始まりという点を考えに入れておくと、状況がよくわかる。5億の倍の10億になったのは、2世紀もたたない19世紀初頭のこと。そのほぼ1世紀後の1918年〜1927年の間に20億人に達している。そして50年もたたない1960年に30億人を越し、14年後の1974年に40億人、1987年についに50億人を突破してしまった。エネルギー使用量の曲線とよく似たカーブになることがわかるだろう。
衣・食・住、それに暖をとるなどの手段を手にいれた人間は、熱帯地方から極北の地にまで、居住範囲を広げている。他の動物では考えられないことだ。それだけ地球は人間によって壊され易くなっているともいえる。
半径が6,370キロメートルある地球はけっこう大きいのだが、さすがに文明を発達させながら、ここまで人口が増えてくると、いろいろなキシミが起こってくる。これまで環境問題というと、局地的、つまりローカル性が強いものであったが、今では地球温暖化など、地球規模のものにしてしまった。
今世紀末には、世界人口は60億人を突破すると予測されている。この人口爆発をどう捕らえて、どう対処していくべきか、人ごとならず問題は深刻だ。
(牧田 薫)