エネルギーとは何なのか。辞書を引くと「物理学的な仕事に換算しうる量の総称。位置・熱・光・電磁気など」とあり、俗に「精力、活力」を意味するとある。ともかく、人間が生きていくためには、エネルギーは欠かすことができない。
人は食物を調理したり、暖を取ったりするために、木をこすって火をおこすことを発見した。薪や木炭は原始的なエネルギーと言えるだろう。昔は鉄をつくる燃料は木だった。木炭を古いと笑うことはできない。日本では30年前には各家庭に赤く燃える木炭をいれる火鉢があった。また川の流れを利用して水車がお米をついていた。
だが世界が文字通りエネルギッシュな資本主義経済の時代に入ると、木や川の流れのような細々としたエネルギーでは足りなくなる。そこで出てきたのは石炭であり、石炭の動かす蒸気機関はまさに世界を一変した。
石炭は帆船を汽船に変え、馬車を汽車に変え、工場の煙突からもうもうと石炭をたく煙が出るようになった。
20世紀になって石油がもっと使いやすいことに気がついた。液体なので運びやすいし、灰もでない。自動車が生まれ、汽船の燃料も石油になった。航空機の燃料にもむいた。
さらに人間は水力、石炭、石油といった第一次エネルギーを加工した第二次エネルギーを使うようになった。それは電気である。電気は電線さえあれば一瞬のうちに伝わり、不要ならすぐ切れる。安全で環境をよごさない。いまや電化率はその国の近代化を示す指標となった。蒸気機関車(SL)が電車になり、ガス灯が電灯になり、都市の景観も一変した。
ともかくエネルギー革命は絶えることなく続いている。同じ電気でも、その電気をつくる第一次エネルギーは様々だ。水車を大仕掛けにした水力発電は今も健在だし、風力発電もあれば、太陽熱、太陽光を利用する発電も実用化に向けて研究が進んでいる。
しかし、大宗を占めるのは石炭、石油であり、天然ガスと原子力がこれを追っている。科学燃料といわれる石油、石炭の時代はまだまだ続くだろう。今のところ原子力はほとんどが発電に使われている。
(大谷 健)