再生可能エネルギーには、太陽のほか、風力、波力、潮汐力、海洋温度差発電などがあり、風力は小規模ながら実用化されているものの、あとはやめたか研究中で、今一つ迫力を欠く。しかし、エネルギー源多様化のため、いずれも研究を進めるべきテーマではある。
風力の利用は、西暦前2世紀ころエジプト・アレクサンドリアのヘロンが風車を使ってオルガンを鳴らして以後、排水、粉ひきなどに使われてきた。これは風の力を、風車を通じて直接使うものだが、現在の風力利用は風車を通じて風の力でタービンを回し、電気をつくろうというものだ。
高い塔を建て、そこに羽根をつけて風の力で回し、その回転力をタービンに伝えればよい。話は簡単なのだが、羽根は高速回転するから機械的な問題が生じる。ある程度以上の規模になると、風速が3m以上ないと発電できないし、15m以上になると羽根やその取り付け部が危険になるから、塔を倒して保護しなければならない。発電はストップだ。
それやこれやで現在は、300kWの風力発電が最も効率がよい、とされているようである。東京電力の三宅島、九州電力の鹿児島県甑(こしき)島などはこのクラスだ。さらに問題は、風が常に吹いてくれないと困ることだ。東北電力が設置した津軽半島の竜飛(たっぴ)崎は適地らしいが、どこでもここでも、とはいかない。常時風があると思われる離島部などが対象ということになりそうである。
波力の利用は、海洋科学技術センターが発電に利用しようとして研究を始め、一時は、IEA(国際エネルギー機関)との共同プロジェクトにまで発展したが、結局費用がかかり過ぎるということで断念した。この技術、圧搾空気を海底に送り込んでかき回し、湾内の浄化に役立てようということになっている。
波力発電は、原理的にいうと、箱の一面をはずしてそこを下向きにして海に浮かべ、箱の上面にタービン室への空気の通り道と、箱の中に空気が入る弁をつけておけば、波が来る度に箱の中の空気が圧縮されてタービン室に流れ込み、発電する。波が引くときは空気弁から箱の中に空気が流れ込んで次の波を待つ、ということになる。しかし、キロワット時あたり50円の壁が破れず、撤退となってしまった。
潮汐力の利用も発電だが、日本では手がけておらず、フランスのランス川の潮力発電所が有名である。筆者が実際に見た北極圏にある旧ソ連の実験装置では、20年間で4年間分しか発電していないというから、多難な技術開発である。
海洋温度差発電の研究・開発は、日本でも行われている。海面温度で気化してタービンを回せる物質を使い、そのあと低温の深海にその物質を回して液化し、再び海面温度で気化して――という技術だが、システムからして大規模に電気をつくれるものではない。
(牧田 薫)