石油の誕生に二つの説

エネルギー・産業革命・人口増は緊密な関係


 人間は、エネルギーの使用量を増やすことによって、文明、文化を発達させ、より豊かな暮らしを達成してきた。イギリスで18世紀後半に産業革命が始まったが、それまで暖房用に使われていた石炭を、製鉄などの工業用エネルギー源とすることにより、産業規模の拡大が図られ、人口の急増をもたらした。

 ある推計では、世界の人口は紀元前後の頃の2億5000万人が、倍の5億人になるのに17世紀半かかっている。次の10億人になるのには2世紀もかかっていない。その後の人口爆発はよく知られているが、50億人を越えたのは1987年。しかも生活水準は向上している。

 発展途上国は石油危機以来、石油が買いにくくなったが、エネルギー使用による豊かさを知った人々は、木を燃やすことで、エネルギーを確保し、森林破壊を起こしている。

 エネルギーの集中的大量使用を可能にしたのは石炭だが、石炭がこの地球上で大量につくられたのが地質年代でいう石炭紀だ。3億6700万年前だから7800万年間のことである。

 5億年前、植物が上陸後、リンボク、フウインボクなどが巨木に育ち、森となり、林となった。それが洪水などにより大量に倒れ、その地や、流れ着いた所で地中に埋もれる。そして、炭素質が酸素のない状態で圧力と地熱の熱作用を受けて石炭ができた、と考えられている。が、その具体的な反応は、分かっていない。

 石炭には、無煙炭、瀝青炭、褐炭、泥炭の種類があるが、最低の泥炭は湿原の植物が積もってできており、暖房の燃料ぐらいにしかならないが、ご存知、燃やした煙がウィスキーのにおい付けに使われている。

 一方、石油の方は、1920年代に初めてアメリカで化学工業に使われたが、燃料としても優れており、何よりも液体であって、輸送の場合にも無駄なく運べるし、貯蔵所からパイプでどこへでも送れるという利点があり、第二次世界大戦の後、タンカー建造技術の進歩もあり急速に石炭にとって変わった。

 石油は、カンブリア紀から地球上でつくられてきたと考えられている。海、淡水中の微生物が死んで、底に大量に積もりその有機物が圧力と熱変成作用を受けて、石油になったというのが主流の考え方である。しかし、石炭と同様どういう反応の過程でできたのかという点になると、さっぱり分かっていないという状況だ。現在は、石油の主要成分である炭素は生物由来ではなく、地球内部で分離された炭化水素が上昇してきて石油の原料になったという説も出され、両方ともあったのだという話も出ている。本当にどうやって石油ができたかについては、石炭の場合よりまだ分かっていない。

 石炭、石油は、どちらも素晴しい化学原料だ。二酸化炭素などによる地球温暖化現象の問題もあり、石炭、石油を燃料としてでなく、できるだけ保存しなければなるまい。

                        (牧田 薫)