〈Q〉 しかし、アメリカ以外の国々にも、核物質を取り扱う施設が数多くあります。それらの施設からウランやプルトニウムが盗まれる可能性はないのですか。



<A> 

数多くの施設で核物質を取り扱っていますが、爆弾を作ることのできる物質を扱っているのは、少数の施設だけです。例えば、ウラン235を5%以上に濃縮したウランは、アメリカの商業用発電計画においてし使われていません。

燃料が一度原子炉の中で使用されれば、その高レベル放射能のために、いかなる転用も基本的には不可能です。使用済み燃料は極めて放射能が高いので、それが再処理されるまで、または原子炉から取り出されてから長い年月を経て放射能が弱まるまでは、盗難から「生来的に防護」されているのです。その取り扱いは作業員を防護するため、2メートルもの厚さのコンクリート壁で厳重に密封された「ホットセル」の中で遠隔操作により行なわなければなりません。プルトニウムが再処理されてから、それが新しい発電用燃料に加工されるまでの間だけが、盗もうとする者にとって盗み得る形のプルトニウムです。

再処理は、技術的に訓練された人材と必要な施設を備えている国の政府、または非常に優秀な組織によってのみ行なうことのできる困難な作業であり、最低でも数千万ドルの巨費を要するものです。

アメリカでは、商業用燃料の再処理工場は現在停止中です。商業用以外の燃料を再処理する工場のいくつかは操業していますが、それらは全て特殊な国営工場で、アイダホ州のナショナル・エンジニアリング研究所、サウスカロライナ州バーンウェルのサバンナリバー工場、そしてワシンシトン州東部のハンフォード・リザベーションにある工場です。核爆発物となりうる物質の防護や保障措置のために採られている方法はあまり有効でないと疑問視する人もいますがこれまでに国営の施設からこれらの物質が盗まれたという事実はありません。