<Q> 核燃料サイクルに関連した物質の輸送の安全性は、他の危険物の場合と比較して、どのような実績になっていますか。
<A>
今日までに起こった輸送上の事故のほとんどは、低レベル廃棄物の輸送上のもので、それらの事故でも死傷者は1人も出していません。ですから、他の危険物の輸送と比べて、放射性物質の輸送は、最高水準の安全性を記録しているといえましょう。
放射性物質輸送の安全記録を示す上で、いくつかの事例を上げておきましょう。
- 核物質の輸送(ほとんどは放射性医薬品)を年間約250万回行なったが、車両の事故率は、一般の平均車両事故率より低かった。
- 1976年までに、アメリカ国内だけで4,000体の使用済み燃料集合体を輸送したが、その際公衆の健康を害するような事故は皆無で、高い安全性を記録。
- カナダでも1978年までに500回以上使用済み燃料の輸送を行なったが、ここでも完全な安全性を記録。
- スウェーデンでも、1979年までに700トンの使用済み燃料のヨーロッパ内の再処理工場へ陸上および海上輸送したが、事故は一度も起こしていない。
1971年、連邦運輸省(DOT)は、危険物事故(HMI)報告制度を設けました。この制度は、死亡、人身、障害、物的損傷および放射性物質に係る輸送事故のすべてについて、その輸送者に報告する義務を課しています。この制度の施行後9年の間に105,000件の事故報告がありましたが、放射性物質に関するものはわずか585件(全体の0.56%)でした。この585件の内、輸送上の事故はわずか13%で、残りは取り扱い上で起こったものや、その他の事故でした。輸送上の事故の一つは、非商業用の使用済み燃料輸送用キャスクを運搬している時のもので、その運転手は死亡し、運搬車は大破しました。
放射性物質に関係した事故の中で、その放射線によって公衆の健康に被害をもたらす程のものは一度もありませんでした。このことは、一般の化学薬品などを扱う工場などが公衆まで巻き込んだ事故を起こしていることを考えると、放射性物質の取り扱いがいかに注意深く行なわれているかを証明しているといえましょう。