〈Q〉 政府の廃棄物に関する計画では、再処理しない使用済み燃料をそのまま処分することもあり得るとしていますが、このことは燃料要素をそのまま地中に埋蔵することを意味するのですか。
<A>
そうです。この計画の意図するところはそのとおりです。もし再処理が経済的ではないという結論が出される場合には、使用済みの燃料集合体はその中に残っている未使用のウランやプルトニウムと共にそれらが放射性崩壊によって減衰するまでの間、地中に埋蔵することになりましょう。
廃棄物の形態として、使用済み燃料は埋蔵処分可能な条件を備えています。燃料ペレットは、不溶性の固体セラミックを金属被覆(燃料被覆管)に封入したものであり、埋蔵に先立って、約10年間冷却することにより、熱発生率は地層構造に損傷を与えないレベルにまで十分低下させることができるからです。
ですけれども、使用済み燃料をそのまま埋蔵処分することになりますと、燃料集合体中のウランはその3%しか核分裂を起こしているにすぎず、多くの未使用ウランやプルトニウムを含んでいるため、その埋蔵は、多量の潜在的エネルギー資源を放棄することを意味しています。この場合、核分裂生成物、ウラン、プルトニウムの存在によってその廃棄物の毒性は長期間継続することにもなります。一方、核分裂成生物を再処理によって分離した後埋蔵処分することにすれば、その廃棄物の放射能が天然ウランのそれより弱まる期間は1000年以下に短縮されます。使用済み燃料を直接処分する場合、その廃棄物は天然ウランより高い放射能を約10,000年間保持し続けることになります。
まだつかえる燃料資源を埋蔵処分することは、処分施設の重要な目的の一つに反することになります。地中処分場に貴重な資源物質を今投棄することは、将来この処分場を再掘して、その資源を取り出す必要性がでてくるかもしれません。そうしますと、安全性が確保された永久処分場から放射性物質を放散することになり、使用済み燃料の直接処分が潜在的な危険性を高めることになります。