〈Q〉 アメリカでは、原子力を商業的に利用してすでに20年の歴史が経過したということですが、なぜ高レベル廃棄物を受け入れる処分場がまだないのですか。
<A>
高レベル廃棄物は、短期間に多量に蓄積されるものではありませんから、今世紀の終わり頃まで貯蔵しておいても特段の問題はありません。実際、アメリカ国内で現在運転中の商業用原子炉から発生する高レベル廃棄物のみについていえば、必要な地下処分場のスペースは1.5立方マイル(約3.8立キロメートル)程度に過ぎません。
原子力利用に批判的な人々は、現在までにまだ高レベル廃棄物処分場ができないのは、廃棄物を長期間にわたり確実に処分することが技術的に不可能だからだ、と主張していますが、専門分野の科学者達の意見はこれらの意見とはまったく異なるものです。廃棄処分施設建設の技術的可能性についての代表的な学術機関の見解を引用しましょう。
- アメリカ物理学会 「軽水炉の核燃料サイクルからでる放射性廃棄物を安全で確実に管理することは現在すでにある技術、あるいはその応用によって可能である。ただし、廃棄物の地中処分を含む処分技術の選択にあたっては明確な規制方針を確立する必要がある。当学会で検討したあらゆる燃料サイクル形態において、廃棄物あるいは放出物の管理、処分に起因して潜在的に放射線を受ける可能性があるということが、原子力利用の推進を制約すべきだとする主張の理由には認められない。」
- アメリカ地質学調査報告 「放射性廃棄物に対して、適切な地中処分場の建設は可能である。」
- スウェーデン核燃料サイクル安全プロジェクト報告 「安全解析の結果、廃棄物を最終的に貯蔵することにより、そこから公衆が受ける放射線量は、有意なものになるとは認められないし、また長期にわたる人体への影響も無視できる。」
廃棄物処分施設を実際に設計するために必要な技術は、すでに開発されてきました。廃棄物処分の適切な方式を選択し、その施設の設計、建設、安全運転を実証すれば、原子力開発を遅らせるべきだと主張する人々の重要な懸念解消されるのではないでしょうか。