〈Q〉核燃料の再処理は、経済的に引き合うのですか。



<A> 

これは難しい質問です。以前は、運転中の商業用原子炉に対するリサイクルを前提とて使用済み燃料を再処理することが明らかに有利であると考えられていました。しかし、その後、インフレや政府の規制の強化によって、再処理コストは再処理によって回収される燃料物質の価値に匹敵するぐらいまでに増大しています。さらに、廃棄物処理、輸送、処分のコストを含めると、再処理は経済的には引き合いません。しかし、代替手段、すなわち使用済み燃料を再処理しない方式(スロー・アウェー)を採る場合のコストは、再処理及びリサイクルのコストよりも著しく高くなると考えられています。ですから総合的に見れば、再処理は経済的に引き合うといえます。

再処理の経済性は、一つにはウランの価格に関連しています。ウランの価格が安ければ、再処理の動機は減少します。現在はウランの価格が低下傾向にあるので、再処理の動機も低下しつつあるといえます。また、再処理の経済性は、リサイクルされたプルトニウムの市場が存在するかどうかにも関連しています。現在の原子炉にプルトニウムをリサイクルするためには、環境影響評価の準備と承認が必要であり、このためには多大の時間と費用を要します。アメリカの場合には、政府の原子力予算が減少傾向ですから、プルトニウム・リサイクルの進展は難しいと思われます。

また、高速増殖炉計画は、世界的に見れば着実に進みつつあるものの、急速に進展しうるものではありません。ですから、高速増殖炉用の燃料としてのプルトニウムの市場も急速に拡大されることはないと予想されます。リサイクルのウランやプルトニウムの市場が成長しない限り、再処理は経済的ではなく、商業的な再処理の展開には困難が多いと思われます。