〈Q〉永久貯蔵所に使用済み燃料を直接処分する場合、どのような問題が考えられますか。



<A> 

直接処分は、貴重な燃料資源の廃棄を意味します。使用済み燃料集合体1体当たりに含まれる燃料資源はこれを軽水炉で利用するとした場合、10万バレル(1590万リットル)の石油に相当します。また高速増殖炉に利用するとした場合は、300万バレルの石油に相当します。ですから、直接処分は、原子力発電が年間1億2000万kWの規模に成長した場合を想定しますと、毎日180万バレル相当の石油の投棄を意味します。この量は、現在アメリカの石油火力発電所が使用している石油のやく2倍に相当します。

使用済み燃料を直接処分する場合のもう一つの問題点は、使用済み燃料の放射能がウラン鉱石並みに低下するのに1万年を要することです。これは使用済み燃料がプルトニウムを含んでいるためです。使用済み燃料を再処理して核分裂生成物のみを廃棄物として処理すれば、この廃棄物は約1年で0.2%ウラン鉱石並みに低下します。また再処理によって、高レベル廃棄物のみを分離して貯蔵所に貯蔵すれば廃棄物の体積は10分の1に減容されます。100万kWの原子力発電所の核分裂生成物の固体廃棄物は、年間約2立方メートル(電話ボックス相当)になるのです。