〈Q〉ウラン鉱石のウラン含有率が0.2%あるいはそれ以下にすぎないのであれば、1基の原子炉の核燃料を製造するために多量の鉱石を採掘しなければならないのではありませんか。



<A> 

そのとおりです。しかし、原子力発電用の燃料に必要なウラン鉱石量は、同じ規模の石炭火力発電用の石炭鉱石量と比べると、はるかに少ない量です。電気出力100万kWの原子力発電所は毎年約33トンの濃縮ウランを必要とし、そのため10万トン以下の0.2%ウラン鉱石を必要とします。このうち200トンくらいはウラン精練工場に残ります。一方、100万kWの石炭火力発電所は、毎年300トンの石炭を必要とし、この石炭を露天掘りで採鉱するためには500万トンから1億トンの土を掘りおこさなければなりません。また、石炭を数キロメートルはなれた発電所まで輸送するとなると、1年中、毎日100台の貨車を運航させなければならないことになります。

同じ出力規模の発電プラントに必要なウランと石炭の量を比較しますと、0.2%ウラン含有のウラン鉱石は1トン当たり2.3億kcalのエネルギ−価値を有するのに対し、石炭は高々680万kcalのエネルギ−価値を持っているにすぎません。このため、石炭火力発電所を運転するためには上に述べたように多量の土を採掘した上、ウラン鉱石の33倍の石炭を供給しなければならないということになります。