〈Q〉核燃料サイクルの多くのステップの中で環境に顕著な影響を与える部分がありますか。
<A>
ありません。しかし、鉱石の精練(鉱石を粉砕した後、鉱石中のウランを他の物質から分離、精製する工程)を適切に行なわなかった場合には環境問題を生ずる可能性はあります。精練においてウラン抽出後に残る物質は、テール(残渣)と呼ばれますが、このテールはウラン鉱石中の岩石や土質からなり、採鉱ウラン量の5%程度の量となります。テールは、ウランの放射性崩壊による生成物を含み、そのあるものは寿命の長い放射性物質であるために潜在的な危険性をもっています。
また、ウランの放射性崩壊生成物であるラドンは気体状であり、もしテールを地表に露出しておきますと、地中に埋蔵している場合よりは容易にラドンを空気中に放散することになります。1940年代のアメリカでは、テールを道路や建物に利用したことがあり、建物内のラドン濃度が高くなった事例があります。現在では、このような利用は法令によって禁止されています。