プルトニウムも核燃料として利用することができます。プルトニウムは商業発電用原子炉の運転中にウランの同位元素であるウラン238から生成しますが、生成されたプルトニウムの一部はさらに原子炉内で核分裂します。実際、現在の発電用原子炉の中で発生する全エネルギーの約30%はプルトニウムの核分裂によるものです。余談になりますが、プルトニウムは太古の地球上で天然に生成されたことがあります。このプルトニウムはアフリカの古いウラン堆積物の中で、水とウランが混合して、核分裂連鎖反応をおこしたために生成したものです。人類が20世紀に入ってプルトニウムを再発見するより、10億年も昔に、このような天然の原子炉の中でプルトニウムが自然に生成されていたのです。

(a)プルトニウム-239と(b)ウラン-233ができるまでの反応経路。
ウラン-235原子がその核の中に1個の中性子を取り込むと核分裂が起こり平均して2.5個の中性子が飛び出してくる。
一方ウラン-233の場合、1個の中性子の取り込みで同様に核分裂が起こるが、そこからは平均2.6個の中性子が飛び出す。
両者の核分裂からほぼ同じ量のエネルギー、約200MeVが得られる。この得られるエネルギーも重要だが、1個以上の中性子がとびでてくることの方が、もっと重要な意味を含んでいる。核分裂連鎖反応の可能性を即座に引き出すからだ。